デジタル社会実現ラボはアマゾン ウェブサービス ジャパン合同会社の協賛を受けて、同社の広告として掲載しています。

愛知県様

最新テクノロジー大全

付加価値の創造をチャンスと捉え、愛知県の産業構造、地域構造をより大きく転換

革新事業創造部は、2022年4月に設立された部署です。大きく3つの課に分かれており、①イノベーション企画課、➁スタートアップ推進課、➂海外連携推進課があります。海外スタートアップ・エコシステムの支援機関、大学とのグローバルな連携を進めながらスタートアップのエコシステムを形成しつつ、社会的課題の解決も含めた形でイノベーティブに産業構造、地域構造を変革することを目指しており、3課が一体となって革新的な事業を推進しています。
愛知県の課題や、創業・イノベーション支援の取り組みなどを伺いました。

地域創生に対して、愛知県の現状と課題をお教えください。

柴山:愛知県の人口は全国4位。GDPは全国3位。ただし2位とは僅差です。日本一の技術と伝統を誇るモノづくり産業の中心地だといえます。
地域の産業構造は、トヨタグループを始め本県立地のグローバル企業は、直近の決算をみると概ね経営は良好な状況にあると思います。最近ではジブリパークが世界から人が集まるグローバルな集客に成功しています。そういった意味でこの地域の人の動き、モノの動きは活発な状況です。
そのなかでこの地域の課題感。なぜ、スタートアップの支援やイノベーションを起こす取り組みを始めたのかについてお話します。愛知県の主力は自動車産業です。現在、本産業はCASE, MaaSといった環境変化の中で、100年に一度の大変革期にあるといわれています。また、世界的なDXの動き、カーボンニュートラルのようなGXに対する社会的な要請もあり、産業構造そのものを大きく変化、対応していかなければならないという課題感を持っています。
ただし、この課題感をピンチとして捉えるのではなく、むしろチャンスとして捉え産業構造転換を進めるなかで新たなイノベーションを起こす地域づくりを図る新政策を打ち出したのが始まりです。

公共部門向け生成系AIユースケース集
ビジネス立案に役立つ!最新テクノロジー大全

愛知県における創業・イノベーション支援として、どのような取り組みを行っているのでしょうか?

2018年、スタートアップ・エコシステム形成に向けて「Aichi-Startup戦略」を策定しました。この戦略中核プロジェクトが、愛知県とソフトバンクが連携して進める「STATION Ai」という日本最大のスタートアップ支援拠点です。

aichi
地域のスタートアップ支援拠点 STATION Ai(鶴舞公園南に開設)

本プロジェクトはハードではなく、ソフト先行で進めているのが特徴です。「Aichi-Startup戦略」の策定主体は「Aichi-Startupネットワーク会議」という産官学金のネットワークです。現在、284名(2023年8月14日現在)のメンバーで構成されています。このメンバーを中心として、各種のスタートアップ支援プログラムを実施しながら2024年10月のオープンに向けて準備をしているところです。
目標としては、スタートアップのグロースはもちろんのこと、スタートアップと日本の事業会社が有機的に連携をし、付加価値を作ることで「Aichi-Startup戦略」では、大きく4つの目標を掲げています。
展開方向1:オープンイノベーション推進による現行産業の付加価値創造。
展開方向2:スタートアップのグロースによる新産業の創出・育成。
新産業の創造から、ユニコーンに成長し、出口戦略として、IPOやM&Aを展開する。
展開方向3:革新的イノベーションによる社会課題の解決と社会構造の最適化。
展開方向4:事業承継・第二創業等を機会とする新ビジネス展開の促進。
事業承継をマイナスではなく、好機と捉え、新しい構造転換、事業領域の転換を促す。
これら4つの目標を掲げ、目標に従った産学官金のプロジェクト支援プログラムを走らせています。

創業・イノベーション支援によって、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

柴山:付加価値の創造だと思います。ビジネスや社会的課題解決において、従来のソリューションでは困難な状況が見られるなかにあって、全く違う角度でソリューションを提供できる。これが付加価値の創造であり、イノベーションです。
常に社会環境は変化しています。特に愛知県では自動車産業を取り巻く変化が著しい。この変化をチャンスと捉え、付加価値を創造することにより、より大きな産業構造、地域構造に転換していく。そして、日本を牽引するような新しい産業が生まれていく。そのようなイメージが最終の目的地点です。

デジタルの価値をどうお考えですか?

柴山:「STATION Ai」の整備・運営パートナーがソフトバンクである点について、同社が通信キャリアであることが背景にあると考えています。
今後、日本社会は、オンラインとオフラインが融合したOMO(オンライン マージズ ウィズ オフライン)な社会構造に向かうものと先読みし、愛知県のPFI事業者(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づき事業を実施する事業者)の公募要領に、「ニューリアリティ対応型の世界初・世界最高レベルのスタートアップ中核支援拠点とする」と示させていただきました。ここには、データの量にかかわらず、距離と時間を一致させることができる通信キャリアなら可能との考え方が存在します。例えば、メタバースにアバターでピッチしてもらうといった世界観を描いています。
製造業にデジタルの力が加わることで、オンラインとオフラインが融合した新しいデジタル社会、ハイブリットな世界が創造できるものと考えています。

これから未来、愛知県はどのようになって行くのでしょうか?

柴山:人々はノマド的になっているかもしれない。オンラインとオフラインが常に融合しているので、決められた場所にいなければならないときと、いなくともよいときが選択できます。どこにいてもビジネスを回していける社会になるかもしれません。
「STATION Ai」もリモートで参加するメンバーがおりますが、コミュニティ形成など、ポイントとなる時点では皆が集まる。それ以外はどこにいてもビジネスを行い、社会的課題の解決をする。
また、最近、上場企業などにおいて、働き方改革で、会社員のまま起業を認めるところが多くなってきていると報道されていますが、そのような動きは今後、進んでくるものと思います。
あと、ビジネスと社会課題の解決の垣根も低くなっていくのではないかと考えております。つまり、ビジネスそのものが社会課題の解決になっている。すると人々は自己実現のために働くことになるでしょう。

本取材記事「付加価値の創造をチャンスと捉え、愛知県の産業構造、地域構造をより大きく転換」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

愛知県経済産業推進監
柴山政明様

※発言には個人的見解を含みます。

最新テクノロジー大全
TOP