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神奈川県様

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神奈川県とベンチャー企業が連携して社会課題を解決していく

神奈川県産業労働局では産業振興や雇用・労働行政などに取り組んでおり、そのなかでも産業部産業振興課では、ロボット産業の振興や製造業を中心とした研究開発の支援、そして、今回お話を伺うベンチャー支援に取り組んでいます。
神奈川県の課題や、ベンチャー支援の“かながわモデル”の取組などについて伺いました。

地域創生に対して、神奈川県の現状と課題をお教えください。

上野:神奈川県の人口は923万7,337人。東京都の1,404万7,594人に次いで、全国第2位であり、スウェーデンやアラブ首長国連邦といった国の人口規模に並んでいます(令和2年国勢調査)。しかし、そういった一国の人口規模に並ぶ本県では、高齢化が急速に進む中、少子化で減少する現役世代が、多数の高齢者を支えていかなければいけない状況です。
地域ごとに注目してみると、過疎化や人口流出が課題になっている市町村もある一方で、人口が増えている市町村もあり、地域によって課題は異なります。神奈川県は都市部が注目されがちですが、海や山といった自然環境が豊かな地域もあります。そのため、都市環境に関する課題もあれば自然環境に関する課題もある。他にも防災の観点での課題など、さまざまな課題が多岐にわたっている状態です。
神奈川県で発生しているこうした課題は日本全国で大きな課題になってくることが想定されます。さらに世界的にもいずれは発生するのではないかという観点から、神奈川県は「諸問題が先行的に進行する課題先進県のひとつ」だと考えています。
これは、ベンチャー支援の観点から申し上げると、様々な社会課題を解決しようという意欲のある企業にとっては実証や実装に取り組みやすい環境だと言うことができます。

「ベンチャー支援の“かながわモデル”」とは、どのようなものなのでしょうか?

上野:我々の取組では、ステージに応じた支援策を用意しています。大きく分けて二つあり、「起業家の創出」と「ベンチャー企業の成長促進」です。

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まず、起業家の創出では、取組を「『HATSU』~〇〇発がたくさん生まれる場所~」と命名し、神奈川発の起業家やベンチャー企業の輩出を目的として、鎌倉、厚木、小田原の各エリアにあるコワーキングスペースと連携した支援拠点を活用し、これから起業する方を支援しています。
もうひとつのベンチャー企業の成長促進では、取組を「『SHIN』~新しい一歩を進める場所~」と命名し、ベンチャー企業のさらなる成長に向けて、有望なベンチャー企業への伴走支援や、神奈川県にある大企業とベンチャー企業との連携促進などを行っています。

「ステージに応じた支援策」をもう少し細かく分類すると、起業前の「起業家創出促進事業」では、起業志望者の増加を目的として、起業の魅力を発信するセミナーの開催や、起業に関心がある若年層への支援等を行っています。これは、起業という選択肢があることを知ってもらい、直ちに起業につながらなくても、将来、起業を志す人を増やすことを目指した取組です。次に、起業を決意した方に対しては、各地の支援拠点において、地域企業・先輩起業家との交流機会の提供や、起業の実現に向けた実践的な支援等を行っています。
そして、実際に起業した育成期のベンチャー企業には、「かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)」による伴走支援を行い、製品・サービスの開発や実証に対する支援など、しっかりとビジネスとして成り立たせていくサポートを行っています。

このKSAPは、神奈川県の抱える社会課題を解決する「社会価値型スタートアップ」の支援に重点を置き、社会価値と経済価値を両立しながら伸ばしていくことに特化した支援プログラムで、本プログラム採択企業には最大100万円のソーシャルベンチャー支援金を支給しています。
社会課題を解決するビジネスは、行政とも連携して進めることで、信用を得ながらビジネスを伸ばして行くことも可能ですし、社会に大きなインパクトを残していくことができます。

成長期のベンチャー企業に対しては「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」により、オープンイノベーションの促進を目的に、大企業との提携プロジェクトの創出支援を行っています。ベンチャー企業が大企業に単独でコンタクトするのは難しいものですが、県と一緒にアプローチすることで連携も実現しやすくなり、成長スピードを加速させる方法として有効です。

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「ベンチャー支援の“かながわモデル”」によって、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

上野:従来から行政は社会課題の解決に向けて取り組んできました。しかし、今の時代は課題が多様化し、行政単独では解決できない課題も多くあります。そうした行政だけでは手が届かない課題に対して、民間企業は斬新な技術・アイデアでアプローチしますし、ビジネスとして持続性を持って解決を図っていきます。一方で、社会課題解決分野は、単独での取組では、なかなかマネタイズできない、どうしても成長速度が遅くなるという問題がありますが、これまで複数のベンチャー企業の支援をしてきた中で、専門的な支援者からのサポートを受け、行政と一緒に取り組むことで、ビジネスモデルが構築でき、成長スピードが速くなるケースもあるということを実感しているところです。
社会課題に対して、行政は行政の手法、民間企業は民間企業としてのビジネスアプローチをしつつ、協力して取り組むことで、さらに多くの課題を解決していくことができると考えています。また、産業振興という観点から見ても、ベンチャー企業のビジネスが大きく成長することは、売上や雇用の拡大を通じた経済の発展にもつながります。社会課題解決型で成長していくベンチャー企業の創出を支援しつつ、我々としても一緒になって社会性と経済性を両立させていきたいと考えています。

デジタルの価値をどうお考えですか?

上野:デジタルツールを活用することで、我々の支援のスピードが増したと感じています。リモート会議もそうです。以前だと民間企業と打ち合わせをするときは、時間をかけて訪問するのが普通でしたが、今ではリモート会議が当たり前になりました。その結果、打ち合わせにかかる時間も圧倒的に短くなり、1日に面会できる企業の数も増え、より支援がしやすくなったと感じています。これもデジタルの価値だと思っています。
また、SNSを活用してオンライン上で起業家コミュニティを作ることで情報共有が進み、今までなら実際に会わないと接点を持てなかった人同士がつながり、神奈川県に起業家コミュニティがあるという認知度も向上しました。
ベンチャー企業が、社会課題を解決していく上でも適切にデジタルを活用することで、事業が大きく成長することが期待できます。
デジタルがなければ、どうしても人手に頼った活動になり、活動規模を大きくしていくことが難しく、大きな社会インパクトにつながりづらいです。それがデジタルを活用することで斬新な解決手法が取れる、また、それが多くの人に届き、日本のみならず、世界的な課題解決に結びついていく。デジタルを上手く活用することで、ベンチャー企業は成長拡大し、社会課題解決も進んでいくと思っています。

これから未来、神奈川県はどのようになっていくのでしょうか?

上野:今の時代は変化の速度が速く、災害や新しい感染症の発生など、先が見えない時代です。そうした社会的にも大きく変化している時代ではありますが、県を始め様々な主体が起業に向けた支援を行うようになり、以前より起業にチャレンジしやすくなっていると思います。働き方も多様化しており、大企業が副業を認めたり、社内起業を推進したりしています。どのような働き方をするにしても、起業家精神は起業する人だけでなく、全ての人に必要なことだと思います。自分で課題を見つけ、その課題の解決に向けてチャレンジしていくということが大事になっていく。我々としても学生など若い人への啓発を進めたり、大企業や行政がベンチャー企業と接する機会を設けることで、多くの人が起業家精神や、ベンチャー企業の考え方を理解して、変革を起こすきっかけにしていきたいと考えています。
そうした起業家精神を持った人が、色々な年代や職種で増えていく、そういう人達が集まる県にするとともに、たとえ失敗したとしても再チャレンジできる環境にしていきたいと思っています。
かながわモデルの取組により、デジタル、脱炭素推進、医療・ヘルスケア、SDGsなど県の重要政策と連携した、起業・ベンチャー支援を行っていくことで、社会課題の解決と、神奈川県経済の持続的な発展につなげていきたいと考えています。

本取材記事「神奈川県とベンチャー企業が連携して社会課題を解決していく 」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

神奈川県産業労働局
産業部産業振興課 副主幹上野哲也様

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