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北九州市様

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IT企業の誘致が加速すれば、北九州市はさらに魅力ある都市になっていく

北九州市産業経済局企業立地支援部では、IT企業の誘致を推進しています。支援部と称しているのは、誘致のための支援はもちろん、誘致が完了した後も支援しているためです。その支援には人材採用やものづくりなど地元企業とのマッチングもあり、誘致と支援の両輪で事業を加速しています。
北九州市の課題や、取り組みなどを伺いました。

地域創生に対して、北九州市の現状と課題をお教えください。

山下:人口減、高齢化率が最も高いことが課題としてあります。また、市内の総生産数も伸び悩んでいます。それらの原因として若者を惹きつける企業を生み出せていないことがあると考えています。
北九州市に若者が少ないのかというとそうではありません。北九州市の研究開発・産学連携拠点である北九州学術研究都市には、九州工業大学大学院や北九州市立大学・大学院、早稲田大学大学院、福岡大学大学院がキャンパスを置いています。北九州市には理系人材が多いといえるのですが、卒業後の若者の定着が悪く、理系は2割くらい、文系を入れても3割くらいしか北九州市に留まりません。首都圏に移り住む若者が多いのが現状です。
北九州市としては、若者にとって魅力ある、就職したいと思う企業を呼び寄せる、誘致する必要があります。北九州市はものづくり企業が多く、企業誘致は従来から行ってきましたが、2014年からIT企業の誘致にも注力しています。IT企業を誘致することで、「北九州市で住み続けたい」と考えている若者に働く場所を提供したいと考えています。
IT企業に訴えたい北九州市のポテンシャルは、企業活動がしやすいこと。高速道路や都市高速も充実し、北九州空港から国内や海外へ容易にアクセスできます。また、物価・家賃が安価なので従業員の方々が住みやすいという利点もあります。首都圏の企業が北九州市に進出し、首都圏と同じ給料を支払えば、生活は首都圏以上に楽なので、優秀な人材も集まると考えています。

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北九州市の取り組みについてお教えください。

山下:IT企業の誘致を進めるため、専門の部隊を組織しています。
IT企業が北九州市に展開する際のニーズで最も高いのは、人材確保です。最近ではIT企業に限らず、首都圏では人材の確保が難しいため、北九州市に優秀な人材を求めています。
人材確保では、我々は「伴走型の人材採用支援」という表現をしていますが、市職員と地元の大学・高専とのネットワークを活かし、市職員が伴走して、IT企業のニーズに応じた人材の確保を支援しています。さらにアフターフォローもしていきます。
次に企業とのマッチング。北九州市にはものづくり企業がたくさんあります。IT企業とものづくり企業は親和性が良いものです。IT企業から「このようなものづくり企業を紹介して欲しい」という依頼があると、中小企業を支援している部署などとも連携して紹介しています。
そうした支援は、誘致したIT企業に好評です。そのこと自体がインセンティブになります。補助金も出していますが、そのことよりも市職員全員で支援するといった取り組みが北九州市におけるIT企業誘致のポイントだと思っています。
IT企業誘致の事例としては、2022年に日本アイ・ビー・エム株式会社と、地域DXやGX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進、雇用の創出及び企業誘致活動の促進を図るために連携協定を締結し、「IBM地域DXセンター」が札幌市、那覇市、仙台市に次ぐ、全国で4か所目として設置されました。
また、2024年にはSDGs未来都市の実現に向けた取り組み「コクラ・クロサキ リビテーション」の第一弾プロジェクトである「BIZIA小倉」へ入居予定です。

BIZIA小倉

(*BIZIA小倉)

2022年には、GMOインターネットグループが、ITエンジニア部門の開発拠点「GMO kitaQ(キタキュー)」を、北九州市の商業施設「セントシティ」に拡張移転オープンさせました。
さらに、2023年、企業向けソフトウェアおよびサービスを開発・販売するウイングアーク1stと、北九州発の地域創生モデルの創出を目的に「北九州市への進出及び包括連携に関する協定」を締結しました。

ユニークな取り組みに、「おためしサテライトオフィス推進事業」という活動があります。地方創生でよく、お試し住居がありますが、その企業版です。一度来ていただいて、北九州市は良いところだと知ってもらって拠点を設けてもらう。そのため、例えば、東京からなら飛行機代を片道3万円まで、宿泊代も7500円まで支給していますし、職員が大学などを見てもらう案内や紹介もしています。対象はIT企業で従業員が3名以上。この取り組みはとても好評で、2020年からスタートしましたが、現在で約200社に来ていただき、内2割が拠点を設置しています。
他にも大手IT企業が興味を持って拠点準備を進めています。

武内和久北九州市長は、人口減少を食い止め100万人都市の復活に向けて、「北九州市を稼げる街にする」と宣言しています。稼ぎたい若者・企業に選ばれる街にするためには、IT企業誘致が効果的で注力すべきことだと思っています。新たなIT企業が北九州市に来ることで、それらIT企業が行政DXや地域DXに力を入れてくれる。そのことで地元の地場企業、地域住民、我々、行政のDXの底上げが進み、より上手く回って行きます。
IT企業誘致は2014年から力を入れていますが、9年間で誘致件数は142社となりました。また、雇用数の目標を2020年から2024年の5年間で1500名と定めましたが、2023年までの4年間で約1700名となり、目標は既に達成しています。

取り組みによって、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

山下:IT企業を誘致することで、若者の流出が食い止められます。我々は「稼げる街」を作って行かなければなりません。2023年に武内北九州市長は、「成長への再起動」を掲げましたが、再起動する上でも「稼げる街」は重要となります。その意味では、我々のIT企業誘致の取り組みは、責任ある役割を担っていると考えています。
どの自治体も「市民の幸せ」が究極の目標だと思いますが、市民の幸せのために教育を頑張る。福祉を頑張る。観光を頑張る。高齢者を支援する。いろいろある取り組みの中で我々は、IT企業を誘致し、若者や企業に選ばれる街、稼げる街にして教育や福祉、観光、高齢者支援につなげるよう、努力しています。

デジタルの価値をどうお考えですか?

山下:デジタル技術を活用して市役所にDXを導入することで業務は効率化します。企業も生産性が向上し、働き方改革につながります。市民や地域、企業にデジタル化が進むことで、付加価値が生まれ、時間も有効活用できるようになります。
若者はただ働くだけでなく、働く場所の雰囲気も求めています。IT企業を訪問すると普通の会社とは全く違います。お洒落で魅力ある職場環境づくりに力を入れています。若者にIT企業が人気なのもよく分かります。その意味でもIT企業の誘致はとても大事だと思っています。
また、北九州市に来たIT企業に協力をお願いし、小学校向けのプログラミング講座を開催する。そうしたことで地域のDXの底上げをしていきたいですし、IT企業と市民が結びつき、子どもたちが「IT企業の仕事って楽しそうだな。こんな仕事をしてみたいな」と思ってくれるようになればと思っています。もちろん、ものづくり企業にも頑張って欲しいと考えています。

これから未来、北九州市はどのようになって行くのでしょうか?

山下:「成長への再起動」に向けて、北九州市の全職員が取り組んでいます。その「成長への再起動」の施策のひとつに未来産業の推進があります。半導体、EV、宇宙の3つを重点項目として挙げています。
2022年、北九州市は福岡県代表として出場した「夏のDigi田甲子園」で優勝し、指定都市等部門で初代日本一に選ばれました。DXを推進することで、ものづくり企業も後押しされ、ものづくり企業のDXも加速化して行く。良いシナジーが生まれています。

IT_Scrum_KitaQ(*IT Scrum KitaQキックオフイベントの様子

また、北九州市では、2023年8月に、まちぐるみで北九州市の魅力を発信し、IT企業誘致を加速させて行く産学金官連携ネットワーク「IT Scrum KitaQ(アイティースクラムキタキュー)」を立ち上げました。そのことが北九州市の魅力となり、IT企業の誘致が加速すれば、北九州市はさらに魅力ある都市になって行くと考えています。

北九州市様3

本取材記事「IT企業の誘致が加速すれば、北九州市はさらに魅力ある都市になっていく」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

北九州市産業経済局企業立地支援部IT産業誘致担当課長
山下孝之様

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