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神戸市様

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神戸市がデジタル分野の最先端となり、世界をリードする

神戸市デジタル監では、官庁における政策の企画立案を行い、行政DXとスマートシティを推進しています。2022年3月より、企業・行政・研究機関などの共創による推進体制として「KOBEスマートシティ推進コンソーシアム」を発足させました。
神戸市の課題や、取り組みなどを伺いました。

地域創生に対して、神戸市の現状と課題をお教えください。

正木:人口減少が課題としてあります。現在、人口は約150万人ですが、2023年には150万人を割ってしまうのではないかという危機感はあります。
神戸市ならではの観点でいえば、阪神淡路大震災があり、それによる地盤沈下や経済的な影響がまだ尾を引いている状態です。復旧復興を優先で取り組み、財政改革を行った結果、新しい投資がなかなかできなかった。多くの都市が再開発を進め、人を呼び込もうとしているなか、神戸市はそれができなかった。今、ようやく落ち着きを取り戻してきたので、新しい投資を行おうと、都心・三宮の再整備や、神戸市役所本庁舎2号館に兵庫県初となる五つ星クラスのホテルと商業施設の誘致。また、日本初となる、270度海に囲まれた水辺のアリーナ「神戸アリーナ」を建設する。他にも神戸空港の国際化など、新しい動きが出て来つつあります。そこをどう、神戸市の行政と結び付けて行くかが課題です。

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KOBE スマートシティ推進コンソーシアムとは、どのような取り組みなのでしょうか?

正木:「KOBEスマートシティ推進コンソーシアム」は、2022年3月に、企業・行政・研究機関などの共創による推進体制として発足した組織です。
我々は、スマートシティを「デジタル技術とデータを使って、市民と事業者をより便利にして行く取り組み」と定義しています。
その、スマートシティの実現に向けて、行政だけでなく民間企業やアカデミア、市民も巻き込み、さまざまな力を集め、皆でスマートシティを作って行こうとしています。
現在、いくつかの分野で取り組みを進めています。「行政DX」「防災安全」「医療健康分野」「地域団体、NPOが抱えている地域課題」。また、「地域経済」「交通分野」「広報・PR」などがあります。
行政DXの分野では、行政の手続きが自宅にいながらでもできるように進めています。
また、スマート区役所を設けています。どのように行政サービスを維持するのかが大きな課題としてあり、業務の集約を図らなければなりません。しかし、市民が区役所に相談することも多いため、窓口機能はなくせない。すると、窓口は残しつつ、バックヤードに集約する。つまり、窓口での相談が専門的なものなら、リモートで集約された場所にいる専門家と相談できるといった仕組みを作っています。
防災安全の分野では、神戸市とNTTドコモ、理化学研究所と連携して、2022年4月から都市計画や防災計画に資する、「富岳」を活用したデジタルツインシミュレーションの社会実装に向けた取り組みを推進しています。
東日本大震災では、東京で帰宅難民が大量にあふれるということがありました。神戸市で地震が発生したとき、再整備が進んだことで大勢の人が集まるようになった神戸市・三宮では、三宮駅に向けて多くの市民が一斉に移動すると予想され、群衆行動の制御の必要があります。どうすれば避難誘導をして帰宅困難者を減らせるのか?群衆移動の基礎シミュレーションを実施しています。

富岳の写真(理化学研究所HPより)
※富岳の写真(理化学研究所HPより)

都心エリアの人流をシミュレーション上に再現、混雑箇所を可視化
※都心エリアの人流をシミュレーション上に再現、混雑箇所を可視化

また、医療健康分野では、医療ビックデータを共有することで、さまざまな医療機関で受けた検査を標準化し、過去の医療検査履歴も一緒にネットワーク化して、例えば「自分の血糖値の推移が見られるようにする」といったことに取り組んでいます。
他にも神戸市とアシックスとで「ランニングコースの整備に関する基本協定」を締結し、小野浜公園にランニングコースを整備しました。同様に、楽しみながら健康増進ができる仕掛けを作りたいと考えています。例えばある場所を通過するとポイントが貯まり、市内にある温泉施設や飲食店で割引されるとか。健康プラス、施設を活性化する取り組みを行いたいと考えています。

神戸市様3

地域団体、NPOが抱えている地域課題の分野では、まずは正しく課題を把握しようと、地域団体や地域で活動されているNPOとお会いし、課題を議論する。「KOBEスマートシティ推進コンソーシアム」に参加している企業のメンバーと一緒にワークショップを行い、どうすれば解決できるのかの議論をしています。

神戸市様

神戸市は新しいものに取り組んで行くマインドがあります。いろいろなアイデアも出て来ているので、ひとつひとつ、実現して行きたいと考えています。

KOBE スマートシティ推進コンソーシアムによって、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

正木:新しいプロジェクトが次々と生まれ、化学反応が引き起こされて、市民がどんどん便利になって行く形を目指したいと思っています。個々の取り組みが次から次へと生まれ、良いものが実装されて行く。もちろん、うまく行くものもあれば、行かないものもあると思います。全部が成功するとは限りません。もちろん、行政では失敗は許されないのは当然です。しかし、トライ&エラーは必要です。
行政の悪いところは、小さなリスクを恐れることです。机上で話が膨らみ、投資をして実行するけれど、完成したものは使い物にならないということがあります。いろいろ試して、小さい失敗を繰り返すのも重要です。スマートシティでは、上手く行くものもあれば、上手くいかないものもあるという前提で進めています。

デジタルの価値をどうお考えですか?

正木:これまでできなかったことができるようになったことだと思います。
ただ、行政DXでは、「デジタルを活用すること」自体が目的になってしまい、導入したけれど現場は大変になったというのはよくあります。例えば、紙で運用していた区役所の窓口業務をペーパーレス化しなければならない。そのため紙をスキャナーで読み込んでデータ化する。それでペーパーレス化達成というのは、実際にある話です。
何のためにデジタル化するのか?もちろん、神戸市も区役所の窓口業務はペーパーレス化したいと考えていますが、形だけペーパーレスにするのではなく、ペーパーレスをする意味を考えなければなりません。その意味では「デジタルありき」ではない。形だけデジタルにするのは、逆にデジタルの価値を活かせていない。何を実現したいのかがあって、それを実現するのにデジタルは活用できるツール。その視点で積極的に使っていくことだと思います。

これから未来、神戸市はどのようになっていくのでしょうか?

正木:デジタル分野の最先端となり、世界をリードするようになりたいと思っていますし、実際にできると考えています。
「行政DX」「スマートシティ」「データ利活用」の3つの分野で、少なくとも国内ではリードしていると評価していただいています。この取り組みは、スペイン・バルセロナで開催される「Smart City Expo World Congress 2023」(2023/11/07~11/09)においても発信する予定です。
課題があるところにソリューションは生まれると思います。神戸市は阪神淡路大震災を受けての人口減少がありました。課題は他の政令指定都市と比べて大きいと思います。そのなかでも明るい動きも出て来ているので、それらを起爆剤にデジタル活用を進めていきたいと考えています。
デジタルの活用で一気に未来を変えるのではなく、行政の手続きが自宅にいながらでもできるようになるなど、個人の生活を一つひとつ改善していきたいと考えています。

神戸市様

本取材記事「神戸市がデジタル分野の最先端となり、世界をリードする」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

神戸市デジタル監(企画調整局局長(DX担当))
正木祐輔 様

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