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札幌市様

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札幌市のスタートアップ企業の事業成長を支援する

札幌市イノベーション推進課は、札幌市の産業をアップデートさせて競争力を付けることと、スタートアップ企業の創造や地場企業のイノベーションを促進させることを担っています。
札幌市の課題や、取り組みなどを伺いました。

地域創生に対して、札幌市の現状と課題をお教えください。

中本:札幌市は、観光産業を基幹産業の一つとしています。札幌市を訪れる観光客は年々増加傾向にあったのですが、新型コロナウイルス感染症によってその数は激減し、観光周辺産業が大打撃を受けました。
観光産業を引き続き支援するとともに、社会変動に負けないゆるぎない産業を作っていく必要があると改めて議論されるようになり、スタートアップ企業の必要性が再認識されました。

札幌市様1

私たちは、スタートアップ企業と行政職員が協働し、地域や社会課題を解決するプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」を2020年度からスタートさせました。このプロジェクトに取り組むこととなった理由として、ゆるぎない産業の構築には、北海道の産業をアップデートしていかなければならない。それには企業がイノベーションを起こしていくしかないと考えたからです。
また、もう一つの大きな課題が、若者が北海道から外に出てしまうことです。これは昔からの問題ではありますが、北海道で最も大きな大学である北海道大学の卒業生の6~7割は道外に出て行ってしまうという現実があります。大学生にヒヤリングしたところ、「北海道には就職したいと思う企業がない」といったネガティブな回答が多くありました。
そのため、スタートアップ企業を増やす。若者にとって「面白い」と思ってもらえるような企業を作っていく。それで人口流出を食い止める。かつ、スタートアップは生産性が高いので、大きな価値を生んでもらう。そのような意図も「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」にはあります。また、既存企業や行政だけでは解決できない、行政課題や地域課題をスタートアップの力を借りて解決していこうという目的もあります。

行政オープンイノベーションプロジェクトについてお教えください。

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中本:「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」は、先端技術を活用したスタートアップ企業と、札幌市だけでなく、北海道の12市町村(小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)が連携した「さっぽろ連携中枢都市圏」が一体となって、地域課題や行政課題の解決につながる実証実験をサポートするプロジェクトです。
具体的には、私たちが12市町村にヒヤリングに行き、地域課題や行政課題をまとめます。その課題をwebサイト上で公開し、解決してくれるスタートアップを全国から募るというマッチングプログラムです。採択されたプロジェクトが実証実験を実施する場合、1件あたり上限50万円までプロジェクト支援金を支給します。
12市町村で、課題はあるが、予算化できない案件を一緒になって取り組むという切り口で、真剣に課題を解決したいという部署もあればスタートアップとの協業に興味があるからやってみたいという部署もあります。
2020年からスタートさせ、最初は「スタートアップって何?」「何をするの?」といった半信半疑な声もありましたが、プログラムが徐々に浸透してきたことで、市町村から声がかかるようになりました。2023年度は年間10件を採択する計画ですが、引き合いが増えている状態です。
前年、2022年度は、共通テーマを「マイクロツーリズム/ニューノーマル時代の新しい観光サービス」「交通空白地帯の課題解決」「行政DX」とし募集を行いました。
具体的な課題を提示するのではなく、あえてぼかして汎用的なテーマとすることで、提案の余白を生み、課題を出した自治体すら思い付かないようなソリューションを提案してもらうことを期待しています。
この年は、スタートアップから62件の応募があり、その中から26件が直接の面談にまで進み、11件を採択しました。
これまでの代表的な事例としては、衛星リモートセンシングを活用して農地の土壌分析を行うスタートアップと新篠津村での実証実験がアプリリリースにまで進展したり、昨年度は、ロンドンに本社があるスタートアップ「what3words」からエントリーがあり、動物の死骸回収に現場の位置を3m×3mの範囲で特定できるサービスを恵庭市で実証実験を行っています。
2023年度のプログラムは現在進行中でして、9月には採択プロジェクトが決定されます。私たちとしても楽しみにしているところです。

取り組みによって、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

中本:「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」は、スタートアップ企業のサービスや製品の事業成長機会を提供するとともに、地域や行政の課題解決にも結びつける取り組みです。スタートアップがいきなり行政と協働するというのはハードルが高いものです。それが、スタートアップと行政の双方の事情を把握している私たちが間に入って丁寧にコミュニケーションのサポートをすることで、スムーズに協働できる機会を提供しています。結果的に、スタートアップがより成長しやすい場所として札幌市・北海道をPRすることにも繋がると思っています。私たちはこれまで、自分たちの課題は自分たちで解決しようとする傾向がやや強かったと思います。このプログラムをきっかけにスタートアップと初めて協業した部署もあります。スタートアップとの協業を通じて、行政のマインドを少しでも変えることに繋がっていれば幸いです。
行政の取り組みは、市民の生活の質の向上が目的です。スタートアップとの協業によって市民の生活が便利になったり、効率的になったり、そうした面でも市民に貢献できると考えています。
私たちは、資金調達をするスタートアップの数を、スタートアップ支援全体の目標に置いています。支援当初の2019年の資金調達額は単年度で20億円もなかったのですが、徐々に増え、2022年度で約70億円に成長しました。もちろん、東京に比べるとまだまだ少ない状況です。地元からスタートアップを生む取り組みは長い時間を要します。そちらにも力を入れながらも、Local Innovation Challenge HOKKAIDOのようなプログラムで道外のスタートアップ企業との接点を持つことで、道外スタートアップの誘致にも繋がればと考えています。

デジタルの価値をどうお考えですか?

中本:今までは東京との距離による一次情報の入手の困難さや遅さという課題を常に持っていましたが、デジタルによって一気に解決されました。
札幌市に住みながら東京の企業に勤め、仕事はリモートでこなす、ということも不可能ではありません。札幌市から有名なスタートアップがもっと出てくると、そのスタートアップに就職したいという若者ももっと増えると思います。
就職のために道外に出る若者は多いですが、企業がフルリモート勤務になったことで戻って来た若者もいます。特にコロナ禍を経て、多くの若者が「地元で働きたい」と戻って来ています。その意味では状況は変わりつつあります。私たちとしては、ずっと北海道に残り続けてほしいという想いがありますが、一方で、東京の大企業やベンチャーで学んだ後に札幌市に戻って来てくれる方が成功している現実も多く見ています。そんなリターンを希望する若者が働けるスタートアップが北海道にたくさんあればと考えています。

これから未来、札幌市はどのようになっていくのでしょうか?

中本:北海道の魅力の一つは、美しい自然や美味しい食べ物がたくさんあることです。他の地域では味わえないものが北海道にはたくさんあります。これは、観光に来ていただいた方だけではなく、住んでいる人にとっても素晴らしい環境です。幸せのレベルが高いということは自分たちでも実感しながら日々を過ごしています。
これらの強みをビジネスのフィールドでも生かしていきたいと思っています。観光だけではなくて、ビジネスでも北海道に目を向けていただき、ついでに北海道の良さを堪能してもらう。これらがデジタルの力も使って回るようになると、もっと関係人口が増えて、経済がより活発化し、住んでいる人も訪れていただける人も幸せを感じられる場所になると考えています。

札幌市様3

本取材記事「札幌市からスタートアップ企業のサービスや製品の事業成長機会を提供する」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

札幌市経済観光局イノベーション推進課
スタートアップ推進担当係長
中本大和様

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