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仙台市様

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スタートアップとともに、仙台・東北の人々が豊かさを実感できる未来を実現する

仙台市が起業支援を本格的に開始したのは、東日本大震災後の2013年からです。スモールビジネスの立ち上げから、社会起業家の育成支援、そしてスタートアップ支援に取り組んできました。
そして、スタートアップ支援をさらに強化するため、2023年4月にスタートアップ支援課を新設。6名から10名に増員し体制を充実させ、取り組みをさらに加速させています。
仙台市の課題や、取り組みなどを伺いました。

地域創生に対して、仙台の現状と課題をお教えください。

酒井:仙台は東北地方の中心都市として発展してきましたが、東北は人口減少と少子高齢化がどの地域よりも早く進行し、社会課題が顕在化しています。一方で、仙台は学生が多い都市で、人口1万人あたりの学生の数は政令指定都市で3番目。東北そして全国から学生が集まってきており、東北大学をはじめ、仙台の大学で多くの学生が学んでいます。
しかし、大学・大学院を卒業・修了した後で、若者が首都圏に流出してしまっている状況があります。特に理系の学生が顕著です。こうした状況を変え、仙台で学んだ若者が仙台・東北に住み続け、この地で活躍する流れをつくっていかなければならない、そう考えています。
スタートアップという点では、学生が起業するスタートアップが生まれてきていますし、私どもの支援も受けて株式上場を果たすスタートアップも出ています。しかしまだ、スタートアップの絶対数が少ないので、いかに総数を増やしていくかが今後の課題です。

仙台のグローバルスタートアップ創出に向けた取り組みについてお教えください。

酒井:仙台市では、イノベーションや新たな雇用を生み出すスタートアップを、今後の経済成長のエンジンに位置づけています。世界に先駆けて社会課題を解決し、世界への飛躍を目指すスタートアップの創出を目指す中で、2023年から、仙台の強みの一つである東北大学の技術シーズを生かしたディープテック・スタートアップの成長に不可欠なヒト・モノ・カネに関する支援をさらに強化し、「Tohoku Deep Tech Global Accelerator Project 2023」を展開しています。スタートアップのニーズに応じてその成長を後押しすることで、ロールモデルを輩出していきたいと考えています。
さらに将来を見据えて、大学生をはじめとした仙台・東北の若者を対象に、グローバルに活躍するスタートアップ人材として育成するプログラム「SENDAI Global Startup Campus (SGSC)」を展開しています。ここでは、3つのステージを用意しました。
ステージ1は「アントレプレナーシッププログラム」。世界水準のプログラムを提供することを目的に、国内の行政機関としては初めて、スタンフォード大学から生まれた世界最大級のオンライン教育プラットフォーム「Coursera」とMOUを締結しました。現在110名の若者が、Courseraが選定した最先端の人気コースを英語で受講しています。
ステージ2は「リーダーシッププログラム」。110名から20名を選抜し、ハーバード・ビジネススクールの人気オンラインプログラム「Entrepreneurship Essentials」を受講してもらい、自ら事業プランを構築していきます。
ステージ3は「海外派遣プログラム」。ステージ2の修了者全員で、アメリカボストン、シリコンバレーを廻り、ハーバード大学やMIT、スタンフォード大学などのイノベーション拠点を訪れ、自分たちの事業プランをぶつけます。
この取り組みにより、ローカルに足場を置きつつ、グローバルな視野を持って世界への飛躍を目指す若い人材を育成します。そして、このプログラムをきっかけに起業する若者や、プログラムでともに学んだ仲間がチームアップしたスタートアップが生まれることを期待しています。
採択した110名のうち東北大学が46名、そのうち医学部が20名。また、最年少は15歳の高校生と高専生、最年長は35歳の医学部の研究者。さらに20代のスタートアップ経営者や大企業の社員など多様な人材が10の学習グループに分かれ、刺激し合いながら学んでいます。プログラムはすべて英語で行われるため、募集前は、当初の定員100名は集まらないのではという声もありましたが、予想を上回る300名の応募がありました。多くの熱意ある若者からご応募いただいたことを、非常に心強く感じています。
また、市内中心部にNTTアーバンソリューションズグループが建設中の「アーバンネット仙台中央ビル」の低層階に、2023年度中に官民協働のスタートアップ創出拠点「仙台スタートアップスタジオ(仮称)」を開設する予定です。この拠点では、スタートアップ向けの相談窓口を設け、スタートアップに関するセミナーや交流会の定期的な開催、そしてハンズオン支援を行っていきます。また、市内のコワーキングスペースやインキュベーションスペースとの連携や、東北にゆかりのある人材のネットワークの活用を図ることで、スタートアップ支援環境がより充実するとともに、仙台・東北のスタートアップのコミュニティがより強化され、スタートアップや学生、大企業や支援者が互いにつながりやすくなります。
加えて、仙台に不足しているVCからの投資やCXO候補となる人材については、2023年4月から東京・虎ノ門のCIC Tokyoに仙台市が設けた拠点を活用し、これらを東京から呼び込む取り組みを併せて展開していきます。

CIC Tokyoのイベントで登壇したスタートアップと仙台市長(後段中央が市長)※CIC Tokyoのイベントで登壇したスタートアップと仙台市長(後段中央が市長)

東北大学からは、多くのスタートアップが生まれています。「パワースピン」というスタートアップは、東北大学発の技術「スピントロニクス」を用いることで、同じ消費電力で従来の100倍以上の演算性能を持たせる製品の開発に取り組んでいます。現在、スマートフォンは毎日充電する必要がありますが、彼らの技術が社会実装されれば、3か月に1度の充電で済むようになります。他にも国際宇宙ステーション(ISS)に代わる小型人工衛星を開発している「ElevationSpace(エレベーションスペース)」など、若手の起業家が活躍するスタートアップも生まれています。
若者が仙台・東北から流出してしまう問題の解決策の一つがスタートアップだと思っています。もちろん、スタートアップに関しても、東京には人材の採用がしやすい、資金が調達しやすいなどのメリットがあります。しかし仙台においても、東京との近接性を生かして人材や資金を呼び込むことで、不足している部分を補うことは十分に可能だと考えています。
また、東北は社会課題の「先進地」であり、社会課題が多いということは、起業家にとってはたくさんの起業の種とチャンスがあるということでもあります。仙台・東北の若者には、ぜひそのチャンスを掴み、ローカルに足場を置きつつ世界に先駆けて社会課題を解決し、グローバルスタートアップとして世界への飛躍を目指してほしいと思っています。

仙台のスタートアップが数多く生まれることで、どのようなことが実現できるとお考えでしょうか?

酒井:はじめにお話しした通り、仙台にとっての大きな課題は若者が首都圏に流出してしまっていることです。
学生に聞くと「仙台は好きです」と皆、言います。「仙台の食べ物は美味しい、楽しいこともたくさんある」。でも、「学んでいる専門分野を満たせる仕事が少ない」と。
2019年に、地域の産学官金12団体が発起人となり、「仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会」を立ち上げ、地域が一丸となってスタートアップの支援に取り組んできました。私たちは、地域がワンチームとなって取り組むことで、「仙台・東北で起業する方が絶対にいい」と言ってもらえるような起業環境の実現が十分に可能だと信じています。
スタートアップが増えることは、多様な働き方を生み出すことになります。自ら起業家になる若者や、スタートアップに参画したいという人材が増えてくれば、「仙台に住みたいけれど住めない」から「住みたいから住む」に変化し、多くの若者が活躍し、仙台・東北の活性化につながると考えています。
10年前に仙台市が起業支援を本格的に始めたきっかけは、東日本大震災でした。復興のため、誰かのため、地域のためという強い思いを持った多くの起業家が生まれ、その起業家の方々を後押ししたいと考えたことから始まっています。仙台・東北では、全国に先駆けて人口減少と少子高齢化が進む中で、顕在化した社会課題の解決に多くのスタートアップがチャレンジしています。こうしたスタートアップが増えていくことで、人々の生活がより豊かになっていくと考えています。

デジタルの価値をどうお考えですか?

酒井:コロナ禍への対応としてリモートを活用することは、私たちとしても試行錯誤でしたが、離れた場所にいてもお互いに通信ができます。また、デジタルを活用することでイベントを開催するときもリーチできる層が増えました。例えば仙台市では、「SENDAI for Startups!」という起業啓発イベントを主催していますが、コロナ前は参加者が約1000人だったのが、オンラインを併用することで2000人以上になった。デジタルの価値は大きいと思っています。
リアルの重要性がある一方、デジタルやDXでさまざまな価値を生み出すことができる。仙台・東北からデジタルを活用して、社会課題を解決するスタートアップが活躍することを期待しています。

SENDAI for Startups! 2023の様子※SENDAI for Startups! 2023の様子

これから未来、仙台はどのようになって行くのでしょうか?

酒井:仙台市では「仙台市経済成長戦略2023」を掲げ、その中で目指す姿を「仙台・東北で暮らす人々が豊かさを実感できる未来」としています。
では、どういうことが「豊かさを実感できる未来」なのか?
豊かさには2つあると思っています。ひとつは経済的な豊かさ。もうひとつは精神的な豊かさです。
新しい事業を生み出し、その事業を成長させることで持続的な経済成長を実現する。また、社会課題を解決していくことで人々の生活を豊かにする。この2つの点において、スタートアップが重要な役割を果たしてくれると考えており、私たちはその後押しをすることで、ともに「豊かさを実感できる未来」を実現していきたいと考えています。

本取材記事「スタートアップとともに、仙台・東北の人々が豊かさを実感できる未来を実現する」をご一読くださりありがとうございます。
2023年8月22日より開催いたしました、デジタル社会実現ツアー(主催:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)のオンデマンド配信を現在実施しております。
各地域における地方創生の取り組みをご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひこちらよりご参加ください。

仙台市経済局スタートアップ支援課長
酒井宏二様

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