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交通・物流

物流業界にIoTを導入するメリットと事例、活用IoTの種類

物流業界ではドライバー不足の深刻化や小口配送の増加による配送コストの増大、劣悪な労働環境などの課題が顕在化しています。こうした課題を解決するとともに、物流業界に変革をもたらす技術として注目されているのが「IoT(Internet of Things)」です。本記事では物流業界にIoTを導入するメリットや企業の活用事例などを紹介します。

物流業界にIoTを導入するメリットと事例、活用IoTの種類

物流×IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略称で、「モノのインターネット」と和訳される技術です。情報機器や産業機械、家電製品などにIoTを組み込むことで、インターネットを介した相互の情報伝達が可能となります。たとえば物流倉庫でIoTセンサーを活用すれば、物流倉庫の遠隔監視ができ、物品の保管場所や移動履歴も自動的に記録するので在庫切れや紛失を防止できます。

また、輸送用の車両にIoTを組み込むことで運転行動の監視やルートの最適化を支援する、あるいはIoTセンサーが収集したデータをリスク管理に応用することも可能です。このようにIoTやAIなどの先進的なデジタル技術を活用し、物流管理の最適化を図る取り組みを「スマートロジスティクス」と呼びます。そしてIoTは物流DXの実現を支える技術であり、後述する物流業界の課題を解消するために欠かせないテクノロジーとして昨今、大きな注目を集めています。

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物流業界におけるデジタル技術普及の現状

現在、国内ではさまざまな分野でDXの実現が重要課題となっていますが、物流業界はほかの産業と比較してデジタル活用が遅れている傾向にあります。総務省が発表した「令和3年版情報通信白書」によると、2020年度までにDXに取り組んでいる企業を業種別に見ると、情報通信業(通信業)が51.0%、金融業・保険業が44.7%と取り組みが進んでいますが、運輸業・郵便業は16.9%と取り組みが進んでいないことがわかります。この物流業界でDXが遅れている主な理由としては、物流企業の資金力や人的資源の乏しさが挙げられます。

物流業界はその多くが中小企業で構成されており、一部の大手企業が依頼の大部分を請け負い、商品を消費者に届ける工程を下請け企業に流すという構造になっています。加えて、ECサイトの台頭によって小口配送が増加し、配送料や人件費が増大しているため、IT投資に回す資金を確保できない企業も少なくありません。また、物流業界は人材不足の影響で長時間労働が常態化しており、デジタル化によって今の劣悪な労働環境が公になるのを恐れるあまり、あえて現状維持を望むというケースも考えられます。

参照元:令和3年版 情報通信白書(p.90)|総務省

物流業界が抱える課題

物流業界はさまざまな課題が顕在化しており、中でも以下に挙げる4つの要素が問題視されています。

関連記事:物流業界の現状と課題とは?

ネット販売の普及による配送の需要上昇

経済産業省が実施した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、国内のEC市場は年々拡大しています。その理由としては、デジタル化の進展に伴ってネットショッピングが一般的なものとなり、EC市場の潜在的な顧客層が拡大しているためと推察されます。また新型コロナウイルス感染症の影響によって不要不急の外出自粛を余儀なくされ、巣ごもり消費が増えたこともEC市場拡大の理由と考えられます。このようなネット販売の普及は物流の需要増大を促すため業界としては歓迎すべきものですが、それに伴って市場の競争性は激化の一途をたどっており、競合他社との差別化が難しい物流業界では価格競争に陥ってしまうという課題があります。

参照元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

慢性的なドライバーの不足

国内では総人口の減少と高齢化率の上昇が進み、物流業界でも労働力不足と就業者の高齢化が深刻化しています。EC市場の拡大に伴って配送需要が上昇しているものの、慢性的なドライバーの不足によって需要の増大に対応しきれないのが実情です。また、経済産業省・国土交通省・農林水産省がまとめた「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、トラックドライバーの労働時間は全産業の平均値より約2割多いのにもかかわらず年収は5~10%程度と低く、新たな働き手の確保が難しい状況です。さらに2024年度からトラックドライバーに時間外労働の罰則付き上限規制が適用されるため、さらなる人手不足が見込まれます。

参照元:我が国の物流を取り巻く現状と取組状況(p.8,p.10,p.16)|経済産業省・国土交通省・農林水産省

消費者ニーズの多様化による配達方法の増加

物流業界では消費者ニーズに応え、一般的な対面式の受け取り方法以外に宅配ボックスやコンビニ、宅配ロッカーでの受け取りも可能にしました。さらに少量・少額の小口配送が急増したことで、配送業務の負担は増大しています。特に現場の重荷となっているのが荷物の再配達です。再配達は物流業者にとって配送コストの増大を招き、業務効率の低下と収益の損失につながります。物流業界では今、このような消費者ニーズの多様化に伴う業務負荷増大にどう対応するかが課題となっています。

配送スピードにおいて差別化の激化

物流業界では配送ニーズの多様化とともに、消費者が配送に求めるスピードが年々向上している点も無視できない課題です。近年、EC市場では特定の条件下であれば商品を即日発送し、翌日には届くというサービスを行っているところも少なくありません。しかし、その負担をかぶるのは配送を担う中小規模の物流業者であり、労働力不足と相まって、現場の業務負荷の増大を招いています。

物流業界にIoTを導入するメリット

物資の保管効率の向上

さまざまな課題を抱える物流業界ですが、IoTの導入によって物資の保管効率を向上できれば人材不足や配送ニーズの多様化などを解消する一助となります。たとえばIoTを活用した在庫管理システムを導入すれば、商品の位置や数量をリアルタイムで可視化できるため、在庫過多によるキャッシュフローの悪化や在庫不足による機会損失を最小化できます。また、ピッキング作業の効率化が図れるため、少数の労働力で従来と同等以上の生産性を確保できる可能性が高まります。

配送作業の効率化

IoTを活用した在庫管理システムとの連携によって、在庫管理と出荷管理のシームレスな連携を実現できれば、出荷準備や輸送手段の選定、ピッキング、トラッキングなどの配送作業を効率化できます。また、配送車両の荷物状況や配達状況、位置情報などをリアルタイムで把握することで、配送ルートやスケジュール管理の最適化が可能です。さらに荷物が少なく同じ方向に向かうトラックをまとめられるため、作業効率の向上はもちろん、人件費や配送コストの削減にも寄与します。

リアルタイムで車両管理

IoTセンサーを搭載した車両は位置情報や配達状況をリアルタイムで管理でき、荷物の到着予定を高い精度で予測できます。また、エンジンの状態やタイヤの減り具合、燃料の消費量といったデータを収集し、トラックの状態を把握することも可能です。これによって配送車両の適切なメンテナンス時期を予測できるとともに、大きな故障が起きる前に対応できるというメリットがあります。

メンテナンスコストの削減

物流倉庫では配送車両だけでなく、フォークリフトやベルトコンベヤー、シュリンク包装機、梱包機などのさまざまな設備機器が利用されています。こうした設備機器は定期的なメンテナンスが必須であり、設備保全に相応の人的資源を投入しなくてはなりません。しかし、IoTの導入によって設備機器の稼働状況をリアルタイムでモニタリングできれば、設備保全におけるメンテナンスの省人化と自動化に寄与します。また、設備機器の異常を早期に検知できれば、修理・修繕コストを最小限に抑えられる点もメリットのひとつです。

物流業界で活用されるIoTの種類

商品データの読み取りシステム(RFID)

RFID(Radio Frequency Identification)は、無線通信を利用してRFタグの情報を読み取る技術です。専用のスキャナーをかざすだけでRFタグに格納された情報を一括収集できるので、バーコードのように個々のコードを近距離で読み取る必要がありません。RFタグを取り付ければ、商品の在庫状況や荷物の配送状況をリアルタイムで瞬時に把握できるため、ピッキング作業の時間短縮や品質管理の最適化などのメリットをもたらします。

倉庫管理システム(WMS)

WMS(Warehouse Management System)は、荷物の入庫や出庫といった庫内物流のデジタル管理に特化したソリューションです。物流や倉庫運営において非常に重要な役割を担うシステムであり、受発注管理や在庫管理、在庫の移動、棚卸し管理、ピッキング作業、出荷作業などの庫内物流を総合的に支援します。こうした庫内物流の複雑かつ膨大な業務プロセスをデジタル上で一元的に管理できるので、業務負荷や作業時間を軽減するとともにヒューマンエラーの最小化に寄与します。

配送管理システム(TMS)

TMS(Transport Management System)は、物流における輸送や配送といった業務領域を統合的に管理するシステムです。WMSは受発注管理や在庫管理といった倉庫内の物流業務を管理するのに対し、TMSは物流センターから出荷された荷物を消費者に届ける輸配送業務を管理します。具体的には配送計画や配車計画、運行管理、積み付け、運賃計算、車両のコスト管理などが主な管理領域です。こうした業務領域をデジタル化して効率的に管理できるため、輸配送業務の省人化に貢献します。

AI画像認識システム

AI画像認識システムは、機械学習や強化学習などのAIアルゴリズムを用いて画像の情報を識別する技術です。たとえば事前に商品の画像をAIに取り込んでおくことで、バーコードやタグを付けることなく在庫管理を適正化できます。また、ロボットに搭載されたセンサーを介してAI画像認識システムが荷物を認識し、ピッキング作業や検品作業を自動化するといったことも可能です。

物流業界におけるIoTの活用事例

佐川グローバルロジスティクス|RFIDと仕分けシステムを導入して倉庫のデジタル化

物流IoTの活用事例として紹介したいのが、RFIDとソーターシステムの組み合わせによる検品や仕分けの自動化です。まずRFIDの活用によって商品を個別に検品する必要をなくし、瞬時に検品作業を完了するようにします。そしてソーターシステムの商品スキャニング方法にRFIDを組み合わせることで、入力作業が簡略化されるとともに、仕分けミスをほぼゼロに近い状態まで削減させます。佐川グローバルロジスティクスでは、このRFIDとソーターシステムの組み合わせによって、作業員の教育やスキルの習得時間を低減しつつ、検品・仕分けの生産性向上を実現しています。

三菱商事|ロボットを導入して倉庫管理の自動化

物流DXの実現に欠かせない技術として挙げられるのがロボティクスです。ロボットに搭載されたIoTセンサーがさまざまな情報を取得することで、在庫管理やピッキング作業、仕分け作業などの倉庫管理を自動化できます。その代表的なソリューションのひとつが、三菱商事が提供するサブスクリプション型の倉庫ロボットサービス「Roboware」です。Robowareでは棚搬送型ロボットや立体型仕分けロボットなどのロボットサービスを提供し、商品の入庫や出庫、在庫の保管といった業務領域を支援することで庫内物流の省人化に貢献しています。

まとめ

IoT(Internet of Things)はインターネットを介して情報機器とモノの相互通信を可能にする技術です。倉庫管理の効率化や仕分け作業の省人化に欠かせない技術であり、物流DXの基盤となるテクノロジーとして注目を集めています。物流業界では少子高齢化による人材不足や就業者の高齢化、労働力不足に伴う劣悪な労働環境などが問題視されています。このような課題を解決するためには、IoTやAI、ロボティクスなどのデジタル技術を活用し、いかに少ないリソースで生産性を向上するかが重要です。事業の発展と物流業界の健全化を推進するためにも、IoTの戦略的活用に取り組んでみてください。

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