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ドローン配送が日本の物流課題を解決! 現在の取り組み・事例を紹介

物流業界には、人手不足や過疎地への配送など多くの課題があります。この記事では、ドローン配送とは何か、ドローンで解決可能な物流業界の課題や導入時の課題、実用化に向けた動きについて解説します。実証実験や事例も紹介するので、参考にしてください。

ドローン配送が日本の物流課題を解決! 現在の取り組み・事例を紹介

ドローン配送とは?

ドローン配送とは、ドローン(小型の無人飛行機)を使った配送サービスのことです。従来の宅配サービスは、ドライバーがトラックなどを運転して玄関先まで荷物を届けるというものでした。ドローンを利用すれば、無人での配達が可能になります。配送に使われるドローンにはGPSやセンサーなどが搭載されており、設定されたルートを飛行して迅速かつスムーズに荷物を届けます。

ドローン配送は、スマートロジスティクスのひとつです。スマートロジスティクス(スマート物流)は、IoTやAIなどの最先端技術を駆使して物流プロセスを一元管理することを指します。物流の効率化に役立つ考え方として、近年重視されるようになりました。

ドローン配送によって、物流業界が抱える多くの課題を解決することができます。

関連記事:スマートロジスティクスとは?AIやIoT活用で物流はどう変わるのか

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ドローンが解決する物流の課題

ドローンを利用すれば、交通渋滞や人手不足、過疎地への配送などのさまざまな課題が改善されます。どのような課題が解決できるのか、以下に解説します。

関連記事:物流業界の現状と課題とは?

交通渋滞の緩和に役立つ

配送時に交通渋滞が生じると時間や輸送コストがかかり、ドライバーへの負担も増大します。この点、道路の上空を飛ぶドローンを活用すれば、交通渋滞の影響を受けずに最短ルートで荷物を届けられます。小型の荷物を配送する際にトラックを使わずに済むため、配送業務の効率化が進むはずです。これまでよりも短時間で多くの荷物を配送できるようになります。

さらに配送トラックが減れば、交通渋滞が起きにくくなります。配達のためにドライバーが路上駐車をする必要もないため、路上駐車に起因する交通渋滞も緩和されます。

関連記事:交通・物流の課題と解決例

人手不足を補える

長時間運転しなければならないドライバーは慢性的に不足しており、再配達などの業務負荷も深刻化しています。ドライバーの時間外労働制限により生じる「2024年問題」により、さらなる人手不足を招く可能性が指摘されています。そうなると、消費者へ荷物を届けられなくなるかもしれません。

しかし、ドローンなら無人で配送できるため、活用が広がればドライバーの人手不足を補うことが可能です。消費者の利便性も維持できます。

関連記事:2024年問題とは? 運送・物流業界に生じるデメリットと解決策

コスト削減効果がある

ドローン配送により、配送に関するさまざまなコストを削減可能です。配送は無人で行うので、ドライバーの人件費がかかりません。配送を効率化できるため再配達にかかるコストも低減可能です。

また、ドローンは飛行機などと比べて燃料費や維持費がかからないため、低コストで運用できます。燃料が高騰した場合でも、ドローンならば影響を受けにくい点もメリットです。

過疎地や離島への配送が容易となる

過疎地や離島では交通網が発達していない地域が多く、トラック配送が難しい状態です。高齢者が市街地まで外出するのは難しく、日用品などを簡便に入手できません。

ドローンを活用すれば、自宅まで荷物を安全かつ迅速に配送できます。山間部などで険しい道があっても、上空から最短ルートをたどれるため問題ありません。生活に必要な物資を簡便に入手できるようになれば、安心して生活できます。

災害時に活用できる

ドローンは普段の生活だけでなく、災害時にも非常に役立ちます。災害発生時は、迅速な被害確認や情報収集が必要です。ヘリコプターなどの航空機は広いスペースがなければ離着陸できず、人が通れない狭い場所では小回りが利きません。しかしドローンは限られたスペースで迅速に離着陸でき、屋内外を問わず狭い場所や危険な場所でも飛行可能です。収集した情報から被災者の発見や救助につなげられます。被災者だけでなく、救助者のリスクも低減可能です。

さらに、ドローンを利用すればさまざまな支援物資を上空から配達できます。大型ドローンの開発が進めば、一度に大量の物資を運搬できるようになるはずです。

関連記事:災害時のドローン活用方法! メリット・課題・活用事例も解説

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ドローン配送を導入する上での課題

有用なドローン配送ですが、導入するにはさまざまな課題を解決しなければなりません。安全性やセキュリティ対策をはじめとする課題について解説します。

配送の安全性

ドローン配送において、安全性の確保は必須です。ドローンは天候の影響を受けやすく、強風や雷雨などで墜落する恐れがあります。天候に問題がない場合でも、鳥や電線に衝突して墜落するかもしれません。墜落したドローンが人や車、家などを傷つけてしまえば、深刻な被害が生じてしまいます。また墜落したドローンが破損した場合、さらに被害は大きくなります。このような事態を防ぐために、天候の確認や機体の整備が欠かせません。

盗難などのセキュリティ対策

盗難のリスクにも注意が必要です。配送中に荷物が盗まれたり、壊されたりするかもしれません。また、高価なドローンそのものが盗まれる、ハッキングされるなどの可能性もあります。ドローンに物理攻撃やハッキングを防ぐ機能を備えなければ、確実に荷物を届けることが難しくなってしまいます。犯罪への対策が取られるまでは、安全な運用のために飛行ルートを工夫する、人による手厚いサポートを行うなどの対策が必要です。

積載量・重量制限

ドローン配送を実用化するならば多くの荷物を運ぶ必要がありますが、荷物ごとに大きさや重さはさまざまです。しかし、現在流通している産業用ドローンの多くは、それほど積載量が大きくありません。積載量を増やすにはドローンの性能を高める必要がありますが、開発や運用コストもかかります。コストを下げつつ積載量や重量制限の課題を改善しなければなりません。

搭載するバッテリー容量

バッテリー容量は飛行時間に大きく影響します。現在流通しているドローンの多くは、数十分程度しか飛行できません。途中で墜落する可能性があるため、超遠隔地への配送は難しいのが現状です。さらに飛行時間や荷物の重さによって、バッテリーに負荷がかかってしまいます。物流業界で活用するためには、バッテリーの消耗を抑えて飛行時間を長くするドローンの開発が必要です。

ドローン配送の実用化に向けた動きと現状

ドローン配送の実用化に向けて、法律やガイドラインの整備が進んでいます。各制度のポイントや変更点を押さえましょう。

改正航空法の施行

ドローン配送の実用化に向けて国や自治体、さまざまな企業が実証実験を進めています。

官民協議会は、「空の産業革命に向けたロードマップ」を策定しています。これは、ドローンに関する政府の取り組みを工程表の形にしたものです。2022年のロードマップでは、2022年度中にレベル4飛行を実現し、高度なドローン運行によって可能になる未来についてまとめられています。

国土交通省「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」では、ドローン飛行のレベルを下記の通り示しています。

レベル1:目視内で操縦飛行
レベル2:目視内で自律飛行
レベル3:無人地帯での目視外飛行
レベル4:有人地帯での目視外飛行

引用元:国土交通省│無人航空機レベル4飛行ポータルサイト

この流れを受けて「航空法等の一部を改正する法律」が2022年12月5日に施行されました。改正により整備されたのが、運行管理や機体認証、ライセンスなど、さまざまな法制度です。レベル4飛行が可能になったため、今後は住宅街などさまざまな場所でドローンを見かけるようになるかもしれません。

ロードマップの詳細は、下記をご覧ください。

参照元:首相官邸|4.空の産業革命に向けた ロードマップ2022

ドローン配送のガイドラインを制定

改正航空法施行やドローン配送の社会実装推進の流れを受け、導入方法やさまざまな手続きの整理が必要になりました。そのため2023年3月に国土交通省が公表したのが「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン Ver.4.0」です。これまでに公表されたガイドラインに、事例集や修正が加えられています。ガイドラインにはドローン配送による持続可能性がまとめられているため、ドローン導入を検討している方は参考にしましょう。

参照元:国土交通省|ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.4.0

改正航空法施行によって、レベル4飛行が可能になりました。さらに多くの自治体や企業がドローン配送に着目し、導入に向けた動きは加速するはずです。

日本での配送ドローン導入・実証実験の事例

上述の通り、近年では多くの自治体が配送ドローン導入に向けた取り組みを行うようになりました。配送ドローンの導入や実証実験を行っている長野県や宮城県、東京都の事例を以下に紹介します。

事例1. 長野県

長野県伊那市では、山間部の集落における買い物困難者やコミュニティの脆弱化などの課題を抱えていました。そこで事業化したのが、遠隔監視制御や目視外自律飛行が可能なスマートドローンを利用した「ゆうあいマーケット」です。ケーブルテレビ画面や電話で商品を注文すると、ドローンは配送拠点から地元スーパーの商品を集落にある公民館に配送します。公民館からは、ボランティアが利用者まで直接商品を届けるというシステムです。買い物困難者の支援に加え、高齢者への見守りやコミュニティ強化の役割も果たしています。

ノウハウやプラットフォームを持つ大手企業が事業構築を行い、市内の地元企業が運用するという役割分担をすることで継続的な運用が行われています。この事例をふまえ、現在伊那市が取り組んでいるのは山岳物流のビジネスモデル構築です。

参照元:経済産業省|ドローンモデル自治体(P14)

事例2. 宮城県

東日本大震災を経験した宮城県大郷町では、若者の流出や農業・地域産業の人手不足などの課題を抱えていました。解決に向けて着目したのがドローンです。町の主産業である「農業」と大震災をふまえて「防災」、さらに「教育」の三本柱を掲げました。町のドローン特区化に加えてドローン関連企業の誘致を目指し、産業振興をはかっています。その一歩として、日本ドローン活用推進機構と協定を締結し、研究会を設立してドローンへの理解や知識向上に努めました。企業や団体などと連携して、実証実験や実演会なども行っています。

農業分野では農業用ドローンを活用した省力化・効率化、防災分野では災害時の調査や物資配送、教育分野ではドローンを使ったプログラミング教育などに取り組んでいます。

関連記事:農業用ドローンとは? 主な活用例や導入メリット、補助金を解説
参照元:経済産業省|ドローンモデル自治体(P4)

事例3. 東京都

ドローン活用に向けた取り組みは、東京都でも行われています。

日本郵便株式会社は2023年3月24日に、東京都奥多摩町でドローン配送の実証実験を行いました。これは奥多摩郵便局から山間部の住宅まで重さ約1kgの荷物を届け、同一経路で戻るという実験であり、日本初のレベル4飛行です。着陸したドローンは、自動で機体から荷物を切り離せます。今回の実験では約9kmの飛行距離を約18分で往復でき、かつて同社が実施したレベル3の実験よりも飛行距離・時間を短縮させました。

今後はドローンで運ぶ荷物の大きさや重さを増やし、実用化に向けたトライアルをさらに重ねる予定です。

参照元:日本郵便|未来の物流レボリューションVol.4 日本初!レベル4飛行でのドローンによる配送を実施!

まとめ

物流業界におけるドローンのニーズは高まり、本格的な導入に向けて関連する法制度やガイドラインも整備されてきています。

ドローンを使えばコスト削減や交通渋滞の緩和が可能になり、人手不足も解消されます。しかし、配送の安全性やセキュリティ対策などを万全にしなければなりません。

ドローン配送によって物流業界の課題が改善され、スムーズな配送を行えます。物流業界において課題を抱えている方は、ドローンの活用もご検討ください。

関連記事:ドローン物流とは? 導入のメリットや事例、課題を解説

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